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安曇野市土地利用委員会(其の拾弐) [安曇野・穂高]

本日は、土地利用市民検討委員会の日。
来月にまとめられる提言書の内容についての討議を行ないました。
検討委員会も大詰めといったところです。

最大の検討課題である“線引きするや否や”という点は
結論から申しますと、まだ(委員会としては)結論が出ていません。
「線引きを導入したほうがよい」「線引きしないほうがよい」と
委員それぞれに思いや考えはあるようですが、いづれにおいても
今の時点では決定的に会としての集約できる説得力がなくて。
正直私も迷うところは無きにしも非ずではありますが、
考えの基本として「自分たちのマチのことは自分たちで約束事を作る」
という点だけはブレがないようにしたいところです。

以前のエントリーで書いたことのおさらいですが、私自身の考えとして、
理想は“自主条例による安曇野市の特性を活かした約束事の制定”という部分にあります。
しかしそうした場合に実際のルール策定と運用面で難渋するだろうことも考えると、
やはり現実としては線引きの有用性を上手く利用した上で、
地域の実情にあった地区計画などの導入を検討するなどの方策も
大いに考えねばならない道ではないかと思います。
もちろん、ではそれが問題の起こらない最善の選択かというとそうでもなくて
そう決めた場合の課題も少なからずあったりするようなので、
その点は委員会のなかでも討議されていますが、
はてさて自分たちはどう方向付け(意識付け)を計ればよいのか……。

で、いづれの道を進むにしても、これまた以前のエントリーで紹介したように
市全域を5ないし6程度の区域に分類し、それぞれの土地利用方針に準じて
立地可能な建物用途や形態基準などを制定するという点については
おおむね方向性としてまとまってきています。
但し、個別の用途や基準のラインについてはまだまだ議論の余地があるので、
これは提言書が提出されて以降も次年度以降の検討課題として
残っていくことになります。

市民検討委員会は次回3月上旬にもう一度開催され、
その後市長への提言書提出という運びになります。
委員会はひとまずその時点で“お開き”となる予定ですが、
年度が切り替わって4月になると、今度はこの提言書を踏まえた形で
土地利用のマスタープランを検討する委員会が新たに動き始めることになっています。
そしてそれと並行する形で景観計画にかんする検討委員会の類も発足する予定。
安曇野の景観…安曇野の環境整備と充実をより具体的に討議し、
また実践していくための動きは、いままだ始まりを迎えたばかりです。


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あづみ野環境フェア2008 [安曇野・穂高]

今日はイベント開催のお知らせ。

来る2月23(土)~24日(日)の二日間、
安曇野市などの主催で「あづみ野環境フェア2008」というイベントが開催されます。
キーワードとしての“環境”については世界各地で大きな課題として
取り上げられていますが、果たして実際に自分たちの暮らす地域の
環境とはどういう現状なのか。またこれからの安曇野の環境をどう捉え、
どう実践実行してゆけばよいのか。そんなことを考えるきっかけとして
このイベントを活かしてもらえればいいなと思います。

内容は、ムツゴロウこと畑正憲氏の講演会をはじめ、
地域で活動を実践するグループの活動発表会や展示紹介、
小さなお子様向けに環境をテーマにした人形劇を上演したりと、
様々な企画があり家族連れで楽しめるイベントとなっています。

NPO信州ふるさとづくり応援団や景観サポーターも
活動団体として出展参加させてもらっています。

安曇野に限らず身近な生活環境を考えるよい機会。
堅苦しいイベントではないので、ぜひお気軽に立ち寄って見てください。

案内チラシ(PDF)

http://www.azumino-ecoplan.net/fair/fair.html

(2月8日:タイトル間違いの為、一部修正しました。)


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安曇野市土地利用委員会(其の拾壱) [安曇野・穂高]

先月23日に降った雪も結構積もりましたが、
昨晩未明から昨日丸一日かけて降り続いた雪もたいがいで。
新聞報道は松本市で31センチだとか。
安曇野穂高エリアも同じくらいの積雪量ですね。
今日は日中晴れ間も見えたのですが、今(午後7時過ぎ)また降り続いています。
気温もなかなか上がってこないので、路肩や田畑の雪も容易に溶けません。
去年の秋頃、“この冬も暖冬気配です”なんていう長期予報を聞いたつもりでしたが、
それは気のせいでしたか、そうですか……。

で、
かなりひさびさの土地利用市民検討委員会の話が本日のエントリー。
見返してみたら、去年9月に載せたものが最後だった。。。

今日はその土地利用市民検討委員会を豊科の総合支所にて実施。
委員会そのものも少々おひさ感があって、12月末に実施して以来。
現在の議事内容は課題の大方を見つめ直し終え、土地利用ルールに関する
の方向性(可能性)を煮詰めていこうという最終段階までやってきています。
現状のタイムスケジュールでは、今年度中に委員会としての提言書を
まとめ、それを市長に提出できればという感じではありますが、
ここまであーだこーだと議論を重ねてきた難題が容易に集約する保証はなく、
もしかしたらもうちょっと取りまとめに時間がかかるやもしれません。
が、土地利用ルールの策定は悠長なことを言っていられる余裕がないのもまた現実。
仮に市民委員会の提言が予定通り年度内にまとめられたとしても、
そこから市行政としてルールの方向性を確定させるにはさらに時間がかかり、
さらにさらにそこで確定した方向性から具体的なルール作りを進めるには
方向性を定めること以上の困難が予想されるわけで、
ホントにのんびりしていられないというのも実感だったりしております。

今日の会議の中身は郊外の農業保全地域のあり方と、その地域内や近隣で
開発行為を実施するにあたってのルールはいかにあるべきか、という感じで
実際に宅地開発などがかなり積極的に行われている地域の実例をもとに
グループに分かれて検証してみました。
幾つかのルールの素案は提案されているのですが、それぞれ一長一短というか
利点もあれば課題もあったりと、委員の誰もがうんと頷く妙案は出なくて。
まあそんなものがあれば誰も苦労はしませんよね。
とにかく、あと数回の会議でどこまで意見集約できるか計りかねるところはありますが、
市全体の将来像はどうあるべきかを考えつつ、そのために有効なルールのあり方を
真剣にまとめてゆきたいと思っています。

都市計画の線引きを市内全域に導入してルール作りの骨格とするか、
線引き制度を返上または導入見送りで自主条例を推進するか。
いづれの道も険しいですが、知恵を出しあって乗り越えねば、ですね


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ゆうべの穂高 [安曇野・穂高]

建築士会の会合で、いま帰社。

で、写真は今宵のものではなくて、昨晩のそれです。
夜、退社時に事務所前の駅前通りが雪化粧でしんと静まり返って
なんとなく情緒があったのでシャッターをひと押し。

昨日は雪、穂高にしてはけっこう降りましたね。
事務所前の道路で20センチくらいは積もったでしょうか。
今日の昼頃には車道の雪は溶けてアスファルトも乾いたけれど、
建物の北側になっている歩道はカチンコチンの氷状態。
雪降りもさることながら冷え込みもけっこうな具合なので。
シャベルの先で叩いてもなかなか割れてくれないんですよねぇ。
つるはしでも持って来ないと簡単には……。

「長野市のほうは雪、ぜんぜんでしたよ」
とは、長野のほうへ所用で出かけていた棟梁のお話。
今回の雪は松本安曇野から主に南の地方が大雪だったようですね。
スリップ事故も多かったみたいですし、運転は気をつけなくては。


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安曇野スタイル2007閉幕 [安曇野・穂高]

こういう類のイベントで“閉幕”という表現がいいのかどうか
よく分かりませんが……。

安曇野スタイル2007、本日閉幕いたしました。
(このエントリーを書いている時刻現在、一部のショップや施設では
まだもう少し時間が残っているようですけれど。)

高松建築工房主催『小田時男(JIO工房)木工作品展』に
ご来場くださった皆様、足をお運びいただき有難うございました。
初日の午前中はまだ準備に追われているような状況で、
また最終日となった今日の夕刻は来場者が多数重なってしまい、
そのため十分に応対させて頂くことが叶わなかった方もいらっしゃって
申し訳ない限りでした。
ただ、スペースの都合から展示品の数が物足りない感じだったとはいえ、
小田さんの作品世界の一端は感じて頂けたのではないかと思います。
ツートンフレームやクッキングベラもけっこう好評で、
とくに最終日になって急に引き合いが増えたことで
多くの作品が新しい使い手の皆様によって大切に引き取られてゆきました。
末永く愛用していただけることを願ってやみません。

今年の安曇野スタイルは私自身初めて本格参加したわけで、
いろいろな発見や課題も見つかったイベントでした。
自分自身が他の会場を巡ることが叶わず、その点が多少心残りですが、
それでもいろんな新しい出会いもあり、楽しい4日間となりました。
イベントとしての今年の安曇野スタイルは今日で終わりですが、
ここから継続して自分のなかの安曇野スタイルというものを考え
またいろんなシチュエーションで実践してゆきたいなと思いを新たにした次第。
住宅建築での安曇野スタイルというのもそうですし、
安曇野らしい景観形成やまちづくりという課題もまた然り。
難しいテーマもあるけれども、クリアにしていくためのヒントが
この“安曇野スタイル”というイベントのなかに隠されているような気がしています。
じっくり腰を落ち着けて安曇野らしさのある生活を考えてみたいと思います。


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安曇野スタイル2007好評開催中 [安曇野・穂高]

安曇野スタイル2007、昨日スタートしました。
ウチの事務所もにわかギャラリーに大(?)変身。
事務所の前半分スペースにあった打合せ用テーブルや本棚、
その他材木のカットサンプルや意味不明な荷物などをすべて撤去し、
そんな日頃の雑然とした状況が想像できないほどに
素敵な展示スペースが出来上がりました。

今回の展示品はダイニングテーブルセットにキッチンスツール、
小物としてツートンフレームとクッキングベラを用意。
手狭な展示会場でシンプルな構成ですが、
かえってそれが作品の味を引き出していて、なかなか良い感じです。

ツートンフレームは写真や小さな絵などを飾るのに頃合の大きさで、
フレームに用いた素材自体の色合いでメリハリがついていて、
今回に限らず小田さんの作品展やクラフトフェアで大変好評です。
クッキングベラも頃合のよい大きさで使い勝手もよく、こちらも好評。

どの作品も販売できる作品ですので、近くまで来られた際は
ぜひお立ち寄りいただき、ご覧いただければと思います。



あっ、あと店先に遊具作品“アリバッタシーソー”を展示しています。
通学途中の近所の小学生たちにとても評判なのですが、こんな子にも大好評!?

(じつはウチのわんこです。(^^;)

安曇野スタイル全般の情報はこちらのサイトをご覧下さい。
↓  ↓
http://www.azumino-style.com/

小田時男(JIO工房)木工作品展の案内はこちら。
↓  ↓
http://www.takamatsu-log.com/azuminostyle2007.html


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安曇野スタイル2007、間もなく [安曇野・穂高]

安曇野の“秋の風物詩”と称して、もはや差し支えないと思います。
『安曇野スタイル2007』……今年も間もなく開催されます。

今年度は11月1日~4日にかけての日程で、
例年通り安曇野地域に点在する工房、ギャラリー、飲食店、宿泊施設などが
それぞれの個性あるスタイルで安曇野スタイルを醸し出し、
それぞれの個性あるスタイルでおもてなしさせていただきます。

また、今年は高松建築工房も初参加。
さすがに建築設計という本業分野での出展となるとネタ的に厳しいので、
今回はいつもウチの建築案件でも協力していただいている
JIO工房(小田時男氏)の木工作品展として参加する運びとなりました。

小田さんの作品ジャンルが多岐に渡るのは過去のエントリーでも紹介済みですが、
テーブルや椅子といった純家具の分野から子供向け遊具などのユニークな作品、
またキッチンカウンターや洗面化粧台といった住宅設備の大型家具から
写真用額縁や調理用のヘラや照明器具などなど、
木工作品なら大抵のモノはなんでもござれといった感じ。

そのなかでも今回は食卓と椅子のダイニングセットとキッチンスツールを展示予定。
また小田さんの代名詞的存在でもある遊具も一部展示する予定で、
さらにそのうちの一部は期間中のインフォメーションセンターにもなる
碌山公園研成ホールに出展することになっています。


(アリバッタシーソー(左)とシャクトリスローブ)

製作日数と展示スペースが十分に確保できるなら
それこそ多くの作品をご紹介できるわけですけれど、
今回は特にウチの狭小事務所を特設ギャラリーにするわけで、
展示可能な作品数が限られてしまって甚だ残念ではありますが、
それでも小田時男の作品世界の一端は感じて頂ける作品展になるのではと
期待している次第です。

安曇野スタイル全般の情報はこちらのサイトをご覧下さい。
↓  ↓
http://www.azumino-style.com/

小田時男(JIO工房)木工作品展の案内チラシはこちら。
↓  ↓
http://www.takamatsu-log.com/azumino_style2007_koubou.pdf

皆様のご来場をお待ちいたしております。


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ふるさとウォッチングin安曇野 [安曇野・穂高]

『NPO法人信州ふるさとづくり応援団』という団体があります。
県内各地(現在は主に東北信と中信地域)で各地域ごとに事業を行っていますが、
そのなかの安曇野支部では10月13日に
『ふるさとウォッチングin安曇野~安曇野ウォーキングツアー』と題した
イベントを実施します。

同NPOは、田舎暮らしを希望するIターン者と地域住民との交流による
新しいふるさとづくりを応援するという目的を主な趣旨として設立された法人で、
昨年2月に設立されました。
主な活動形態が支部単位で、それぞれの地域事情に応じた事業展開をしていますが、
安曇野支部ではIターン者の受け入れについてをあれこれする前に、
まず住民である私たちが、自分の暮らす地域を見つめ直してみようという点を大切にし、
「安曇野の良さ」や「安曇野の抱える諸問題」を住民ひとりひとりが再確認しようと
様々な企画・事業を実施しています。

13日実施の「ふるさとウォッチング」もその一環で、
今回は穂高地域の矢原・白金地区を巡り歩く予定です。
同地域は国道など幹線道路沿いは商業施設が建ち並び
車の通行量も多く、市内ではかなり都市化の進んだエリアですが、
一方でひとつ幹線を逸れて集落地内に入り込むと、安曇野らしい
静かなたたずまいやのどかな田園風景が広がる落ち着いた地域でもあります。
ツアーでは万水川や屋敷林、点在する道祖神などを巡りつつ、
“安曇野=自分たちの暮らすまち”の持つ魅力を再発見・再認識できればと考えています。

参加は無料。
安曇野地域のかたはもちろん、安曇野の風景に思いのあるかたは大歓迎です。
開催要項その他問合せは下記HPまで。
 ↓
http://npo-furusato.way-nifty.com/azumino/


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御船祭り@きのうの穂高神社 [安曇野・穂高]

毎年、9月27日は穂高神社の例大祭。
通称(といってよいのか分かりませんが)「御船祭り」と呼ばれています。
祭りの由来は神社のウェブサイトをご参照。
↓  ↓  ↓
http://www.hotakajinja.com/
(御船祭りの頁に載ってます)

神社を中心とする穂高地区に古来から守られている伝統のお祭り。
地域の人達の手によって組み上げられた御船は素朴な風合い。
午前中から市内を氏子さんたちの手で曳き回し、
夕刻には神社境内に参集して船と船同士をぶつけ合います。

迫力という点では岸和田のだんじりの比にあらず、
優美さでは祇園祭りの山鉾や高山祭りの屋台に遠く及ばすですが、
対照的にこちらは田舎に伝わる素朴なお祭りのほのぼのとした雰囲気があって、
いやホント、「穂高だねぇ~」って感じです。

肝心のぶつかり合う瞬間の写真は撮っていませんが、
ちょうどウチの事務所前を曳き通ったときの写真を載せてみます。

実物は結構大きいんですよ。
御船の中央には穂高人形が飾られています。

ちなみに下の写真は祭りとぜんぜん関係ありません。(笑)

神社の境内で放し飼いにされているニワトリさんですが、
今日の昼頃に事務所の前まで散歩(?)に出てきたところを撮りました。
この子たちはちっちゃい体ですが、けっこう大きな子たちも
神社には大勢暮らしており、こうやって時たま道路まで散歩に出てきております。
奈良の鹿と同じものだと考えてくれれば分かりやすいです。(……なんか違う?)

車に轢かれやしないかと見ている側はヒヤヒヤですが、
本人(本鳥)たちはいたってマイペースなご様子で、
この写真の後ものんびりと街なかを散策していましたとさ。(^_^;


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安曇野市土地利用委員会(其の十) [安曇野・穂高]

この“土地利用シリーズ”も回を重ねて十回目のエントリーとなりました。
実際の会議はそれよりさらに多くの回数を重ね、委員会発足から来月で丸一年。
まだ消化不良な部分も少なくないですが、それでも徐々に取りまとめも進みつつある状況です。
特に分科会形式で進行している最近では少人数ゆえに意見も出やすい環境になる為か、
どの分科会の報告資料を見てもより具体的な意見が出ているように見受けられます。
せっかくの機会なので私も常日頃感じていることをストレートに表現させてもらっていますが、
市民生活を市民自らがその目線で考え、こうしてみんなで話し合う場というものが
行政の取りまとめによる委員会だけでなく、街のあちらこちらで見受けられるようになれば
より質の高いまちづくりへと発展していけるのだろうなあ、と思ったりもしています。

次回は19日に全体会議の開催予定。
分科会で討論されてきた内容を改めて確認しつつ、より具体的な提案に
移行していくということになっていくでしょう。

建物形態分科会の直近は7日に実施したのですが、
そこでは前の回に取り扱った拠点・準拠点・大きな集落・小さな集落といった割付単位で
各区域ごとに必要とされる(工夫できる)建物形態について意見を出し合うというものでした。
特に意見の集中したのは大きな集落・小さな集落と便宜上呼称している郊外エリアの扱いで、
そのなかでも特に近年の開発行為が急激に進んだ穂高エリアが話題にのぼっていました。

で、検討にあげられた個別項目としてはこれまで同様に
敷地の規模・配置、建物高さ、色彩・形状・素材、壁面後退や緑化、その他全般といった具合。

敷地の規模や建物の配置という点においては
「新しい分譲宅地は狭すぎて、緑化推進といっても敷地に余裕がなくて難しい」という意見があり、
これについては(分譲可能な)敷地面積を拡げるべきでは?、という方策があげられました。
例えば穂高で250㎡以上と定められているエリアの分譲地一筆の下限を一段引き上げる、など。
現実問題としてその場合は市民の宅地購入の経済的負担が増えることも大いにありえる話ですが、
その点についての議論はこの会議の席上においてはあえて割愛です。

建物高さや色彩・形状・素材といった点についての課題では
「昔ながらの小さな集落内に建つ現代的な住宅に違和感を覚える」というものがありました。
例えば本棟造りをはじめ伝統的な民家建築が多く建ち並ぶ古い集落内に
今風の仕上げ材を用いた住宅ができ、それが地域の景観にそぐわないという意見です。
建築……とくに個人住宅に限った話をすれば、外観などの意匠検討は
建築主の自由の範疇であるというのがこれまでの社会全般の一般的な考え方ですが、
地域の成り立ちとか伝統、風景などを全く無視して存在する個性というのもいかがなものか、
という考えには私も同調する考えを持っています。

建築屋として住宅設計に携わる者として、意匠性は本来規制されるべきテーマではなく
それぞれの個性が尊重されるなかで社会に貢献されるべきものであると思いますが、
一方で個人住宅は経済的には純然たる個人資産であってもその外観面の印象は
地域社会の重要な構成要素に違いなく、極端な表現で誤解を恐れずに言えば、
個人住宅もまた公共建築のひとつと言えなくもないと思います。

地域(集落)の伝統や景観、それらすべてを包括した(日常)風景の上に立つ個性。
「じゃあ風景に馴染む外観とそうでないものとはどこで線引きするんだ?」と問われても
答えに窮してしまうというか、デリケートな問題なので簡単に言える話ではないのですが、
まずは住民一人ひとりが家づくりとか暮らしづくりを考えるなかで、個性と地域性のバランスを
頭の片隅に置くことからスタートしてみれば、それだけでも取っ掛かりとしては十分だと思います。

少なくとも言えるのは、地域の伝統とか安曇野の風景に馴染む外観とかいっても
決して昔ながらの“いぶし銀の瓦”や“木造真壁しっくい塗り”で仕上げた家だけを
是とする訳ではないということ。新しい技術や仕上げ材や工法でも安曇野らしさは
当然ながら形作ることは出来るわけで、古くからある伝統の上に新しい何かが
積み上げられてこそ、持続可能な安曇野の景観形成が成立するのだろうとも思います。

私たち建築屋の側としても個別案件を検討し設計を進めていくなかで
建築主の個性や希望と同時に地域社会との関わりも同時進行で考えていけるような、
そんな企画を継続していかなければ行けないのだろうと思います。
地域性とかを考えていく先で、家づくりの面だけでなくて日常生活全般における
地域コミュニティーの在り方を考えるきっかけに繋がる良い流れが出来るとも思いますし。

分科会ではこれらの課題や方策以外に以下のようなものも意見として出されました。
「建物一体の看板や広告物は違和感が大きい(拠点・準拠点など市街地エリア)」
「建物高さは全市的に基本高さを決め、地域によって強化・緩和できる仕組みがよい(全般)」
「アパートなどの今後の開発には一定の制限が必要ではないか?(B及びCなどの集落地域)」
「(上記課題で)アパートの空室率で新規アパート建築の制限方法など考えられないか」

その他いろいろ出ましたが、最後に
「景観問題などは市民一人ひとりの理解と関心を促進することが大切で、
そのためのきっかけやしくみを早急に打ち出すことも必要」
という感じの意見を出して、今回の分科会はお開きとなりました。

他の分科会での検討課題についても、とても関心があるのですが、
自分がその会合に出席していないのでなんともコメントしづらくて。
次の全体会議の席上でいろんな報告があると思うので、
気になる点など質問出来ればと思っています。
とくに穂高地区の土地利用で個人的に関心が高いのは、
山麓別荘・観光地の今後のあり方について。
自分が仕事でこれまで深く携わってきたエリアのことですし、
他の委員さんの考えなどとても興味があります。


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