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建材の値上がりについて [家づくり]

建材……建築に使用する材料費の値上がりが続いています。
材木、鉄鋼、電線、管材、その他もろもろ……。
現場で仕事をしていると「材料が値上がっちゃって困ったよぉ」という職方の声を
耳にする機会が以前よりも増えているのを実感します。
先日も事務所で某輸入建材販売会社の方と打合せをしている際に
「設計価格(=定価のことです)はそのままなんですけど、
海外メーカーからの仕切り(≒卸値のことです)が高くなっちゃって……。」
なんていう、あまり有難くない話を聞かされてしまいました。

好景気には物価が上昇するというのが資本市場の原理みたいなものではありますが、
こちらとしては値上がりの度合いほども景気が良くなった実感がない。
なのにどんどん材料費は値上がりする一方……。
原油価格の暴騰、世界レベルの木材需要急増による原木供給不足、などなど……。
世間のあちらこちらから原因の憶測が漏れ聞こえてきます。
そんな理由はどうでも、とにかく工事現場は前に進んでいかなくてはなりませんが、
当然ながら建築主さんのお財布事情が値上りに比例してホクホクになっている訳もなく、
材料費の値上り分をそのまま見積り価格に上乗せ&自分たちの手取り切り詰め等々、
業者側もそれぞれ金額設定に苦慮しているようです。

個人住宅の場合は工事価格に対する材木費の占める比率が高いわけですが、
その材木というのは他の建材に比して特に価格の変動が激しく、
「一週間前に設定されていた価格では、もう同じ材木が買えない」
なんていうことも決して珍しい話ではなかったりします。
木材市場で決められる相場……つまり需給バランスによる価格変動が主因で、
もちろん単価が下がって買い求めやすくなることだって当然ありますし、
国産材などは中長期的には下落の一途をたどっている事実もあります。
(まあ、それでも外国産材のほうが安価であるというのが一般的見解ですが。)
ただ、ここしばらくはその外国産材の高騰が続いており、
特にカナダ産などの米松や米ツガといった日本で需要の非常に高い原木が
かなりの値上がりをみせ、製材加工品などに相当な価格的影響を与えているようです。
ログハウスなどで人気の高いウェスタンレッドシダーの原木などは
もう泣きたくなるくらいに急騰してしまって……。

もちろん値上がりは北米産材木に限った話ではないですし、
冒頭にも書いたように値上げ話は建材関係全般の共通ネタとなっています。
施工業者側に求められるのは、いかに安く部材を入手するかという点になりそうですが、
安ければなんでもいいなんてことは通常では考えてはいけないわけで。
良材を低価格で……どころか、適正価格で供給することすら難しくなりつつある今、
やはり一定基準の品質を満たした上での価格設定が求められると思います。

そうした木造住宅の設計を生業とするわたくしも、また然り。
設計図書には使用する建材をそれぞれの部位で指定し、
また建材価格についてはメーカーカタログなどを通じて常にチェックはしているつもりですが、
そうした建材の“現在の販売価格”だけを単にチェックするだけでなく、
今後(とくに数週間~数ヶ月先程度)の値動きについても
これまで以上に注視していく必要があるのは言わずもがなですね。


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