SSブログ

やっぱり現場はイイ! [家づくり]

以前から本宅(事務所のHP)にてちょくちょく紹介していた
穂高の別荘建築の現場ですが、本日より大工作業がスタートしました。
立ち木の伐採と基礎工事に勤しんだ秋を過ぎ、
雪降る厳しい寒さの冬を越え、
春の足音が近付く3月、いよいよ現場は動き始めます。

本日のお仕事は土台の敷設。
それから仮設資材業者さんによる足場架設。
足場は基本的に建物外周をぐるりと取り囲むように架けられます。
今回の建物はマシンカットのログハウスなのですが、
ログハウスの場合は在来軸組建築とは異なり、建て前の所用日数が長めです。
時に先行して架けられた足場が邪魔になることもあり、
大工さんと相談して躯体となるログ組が完了した直後に
架設する場合も少なくありません。
が、今回の現場では逆に先行して架設したほうが都合よいとの判断で
本日架け渡した次第。
あとは小屋組が出来上がってからのほうが都合よく出来る箇所のみ
後日になって改めて架け増す予定です。

で、大工作業のほうですが、
本日は棟梁ともうひとりの職人さんが来て作業を進めました。
わたしも棟梁と図面を見ながら細かな納まりの打合せや確認を行いつつ、
刻み作業の様子や基礎天端に仮組みされた土台の様子をチェックしましたが、
基礎もしっかり出来上がっているので、土台敷設も順調に進んだ様子で何よりです。

(土台敷設と足場架設の様子)

それにしてもやっぱり現場はいいですね。
今日はまだ土台を取り回しただけで終りましたが、
木の香りが漂う現場はそこに居るだけでワクワクします。
真摯な姿勢で取り組む職人さんからは緊張を感じて身が引き締まる思いもしますが、
なによりそこに「創造する」という行為のあることが楽しく思えてなりません。

私の生業は設計屋であり、同時に監理人でもあります。
当然ながら現場へは定期的に顔を出すのが本業ではあるのですが、
工事業者の細かな采配や資材調達などの段取りも任される現場が殆どで、
他の多くの設計事務所さんよりも、現場へ足を向ける回数は圧倒的に多くなります。
(今回の現場もそうした現場管理の仕事を承っています。)

設計監理という本業のみに徹するよりも時間に追われて大変ではありますが、
自分も現場の人間なんだという自覚のもとに仕事を進めているので
本人的にはさほど大変だという実感はなかったりします。
むしろ現場のサイドに立って仕事を進めることで、
デスクでCADを使って図面をコセコセと描いているだけでは分からない、
施工の資料や建材カタログを読み漁るだけでは気づけないなにかを体感できるという、
貴重なひと時を過ごすことが出来ています。

とかく設計屋というのは現場(工務店、職人などという立場の人たち)と
向き合うというか対峙するようなスタイルでイメージされがち。
実際、仕事の性格上そういうスタイルになる部分は確かにあるのだけれど、
所詮は設計屋もひとつの建築現場のなかでは単なる職人のひとりに過ぎないわけで。
それが単に第三者的に「あーだこーだ」と職人の仕事を監理するだけでは
本当の意味でひとつの現場を一体感をもって完遂できないと、わたしは思うのです。
いえ、もちろん「第三者的立場」でもって監理することは、
とってもとっても大切な設計事務所のお役目ではあるのですけどね。

とにかく設計屋も現場に出ていろいろ学ぶことは多いわけですし、
現場でないと分からない現実も実際に存在する訳です。
設計の専門家としても、現場の管理人としてもまだまだ若輩者ですが
家造りを生業とする専門家集団の仲間のひとりとして、
これからも現場に深く関わり続けたいと思っています。

月並みな表現ですが、私は「現場主義」という言い回しが好きです。
そして現場で自分の腕に誇りを持ち、自信を持って仕事に打ち込む職人さんたちが大好きです。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住まい・インテリア・雑貨(旧テーマ)

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

薪ストーブで火事?建て方まで完了 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。