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薪ストーブで火事? [暮らし]

今朝の信濃毎日新聞記事によると24日、中野市でログハウスが火災に遭った模様。
ある会社が所有するその建物の、2~3階の木造部分が全焼したらしいです。
原因は断定されていませんが、建物管理人が2階の薪ストーブに火を入れて外出した
ということから、ストーブが火元ではないかと記事は括っています。

最近(といってもここ数年という意味)、薪ストーブが火元ではないかと
疑われる火災の記事をよく見かけるようになりました。
随分前から薪ストーブは寒冷地を中心に愛用されている訳ですが、
近年は特にブームといってよいほど薪ストーブが注目されて設置する世帯も増えている様子。
その設置戸数の増加に比例してそれが原因の火災も増加している、、、
なんていうのはあまり考えたくはありませんが、そうした推測も出来なくはないのではと。

薪ストーブは主に輻射熱を利用した暖房器具としての機能面の良さもさることながら、
じかに炎を眺める事が出来るという温かみを感じられるのが
人気が出ている大きな理由のひとつとなっています。
(一般に普及しているタイプは直火でなく耐熱ガラスなどを通じた炎の鑑賞になりますが。)
その他にも燃料が薪(木材)ということで化石燃料を用いないことから
エコロジカルな生活を求める昨今の時流に乗った器具として注目されています。

一方では燃料となる薪の調達が大変だという側面も同時にあり、
「薪ストーブを使いたいけど燃料が……」と、
住宅用の暖房器具としての採用に躊躇する方も少なくありません。
山林を所有しているローカルエリアの人は自己の山から刈り出せるので問題なし。
山持ちでなくても、そうした森林所有者と繋がりがあれば、そこからタダもしくは安価に
調達することも可能。(実際、このパターンのユーザーはかなり居るようです。)
それ以外の人はストーブ専門店やホームセンターなどで市販される材を
購入する必要があるわけですが、ひと冬のランニングコストを考えれば
けっこうな暖房燃料費となってしまいます。
単純に燃料費だけの比較であれば、化石燃料を用いた器具のほうが
安価に済む場合も結構多いのではないでしょうか。

ほかにも煙突やストーブ本体のメンテナンスの問題、
設置スペースがかなり必要であったり防火上の課題があったりと、
薪ストーブの採用にはファンヒーターなどとは違った意味の苦労が発生します。

が、そうした燃料調達やメンテナンスや設置方法もろもろの課題を承知しつつも
やはり炎と戯れる素敵なストーブライフは、何物にも換え難い充実感を得られるようで
バイオマス燃料に対する注目の高まりと相まって今後もますます需要が伸び、
設置世帯数も増加し続けることが予想されます。

ただ、薪ストーブは室内で強力な火を用いる器具であることを
薪ストーブユーザーとなった時は肝に銘じなければいけません。
器具本体の製造メーカーによる安全面の配慮もあるでしょうし、
“まともな専門業者”の設置工事であれば、火災の危険があるような据付はしないはずですが、
そうはいっても薪ストーブを安全な暖房器具として利用し続けられるか、
それとも生命や財産を奪い取ってしまう凶器と変貌させてしまうか、
最終的には、それはストーブの使い手次第ということになります。

以前にお世話させていただいたログハウスのオーナーは新築計画当初から
薪ストーブを熱望されていましたが、最終的には温水ルームヒーターを採用されました。
近所の集落で薪ストーブの過熱を原因とする火災の発生が
薪ストーブ導入を取り止める一因になった模様。
「自分たち(=親)が家に居る時はともかく、子供だけで留守番させる機会も多く
そんな時に万が一の事故でも起こったら……」とは、オーナー様のコメント。
温水ルームヒーターは薪ストーブとは性質が違うけれど、
自分たちのライフスタイルにもあっている様子で、
場所をとらずにランニングコストも落ち着いているその機種を
じゅうぶん気に入っておられました。

薪ストーブはとても素敵な暖房器具です。
でも、単なる憧れだけでは使いこなせない器具でもあります。
(もちろん“憧れ”というものが、使い続けるための大きなパワーにもなる訳ですが。)
新築時でもそうでなくても、流行に捉われることなくライフスタイルに見合った
暖房器具の導入をお勧めします。


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