塗装の自主施工（セルフビルド）

ホームページのトップのほうにもチラッと書いた記事ですが、
先日からログハウス建築現場にて建築主直営の塗装作業がスタートしました。
ログハウスは基本的に屋根を除く大半が無垢の木材で仕上がっており、
塗装なりなんなりで保護してあげる必要が生じてきます。
一般的には塗装もしかるべき専門業者に請負ってもらうことになるわけですが、
私は「ログの外壁塗装くらいなら玄人でなくても出来るし、やってみましょうよ」と
いつも建築主さんたちをたぶらかして……いや、おだてて……いやいや、後押しして
自主施工＝セルフビルドで頑張って塗装してもらうようにしています。

今回の現場に限って言えば私が自主施工の話を持ち出さずとも
建築主さんのほうでも積極的にやってみたかったご様子で、
実際の作業当日も身なりから道具まで準備万端。
普段はもちろん仕事があるわけですから現場作業の出来るのは当然ながら週末だけ。
でも、初心者とは思えないほどの手際で順調に作業を進めて行かれ、
応援の人手（奥様の実家のご両親）が加わった二週目の週末段階で
早くも８割方の塗装を終えられました。
ご主人としてはこの三連休の週末で一気にケリをつけたかったようですが、
高所での作業も少なくない中、十分に順調な仕上がりだと実感しているわたくし。
残りの部分も無理をしないでじっくりやって頂ければと思います。
作業は安全第一が基本ですから。
（それでもおそらく今週末には全作業を終えてしまいそうな勢いですが。）

（塗装作業中の建築主さん）

建物外部の塗装というのは、ログハウスだけでなく軸組みや枠組壁の工法でも
無垢の木材が現しになっていれば、一部例外を除いて必ず行なわねばならない作業です。
左官や板金などによる被覆仕上げとすることもありますが、少なくとも塗装作業であれば
危険な薬品や複雑な調合を必要とする塗料を使用する場合でない限りは
素人作業でもじゅうぶん施工可能な内容です。

もちろん、素人と玄人では仕上がり具合に差が出るのは当然のこと。
プロはその作業でお金を貰って食べているわけなのですから、
一定レベル以上で上手く出来て当然なわけで、
一方で素人は塗装本来の目的である「木部の保護」という課題を
最低限クリアすれば、あとは本人次第で好きなようにすればいいわけです。
多少塗り具合にムラが出来たとしても、それもご愛嬌。
むしろ後年のメンテナンスのことなどを考えれば、
新築段階でのこうした経験は必ず役に立ってくれるはずですし、
実際に生活が始まって以降も建物に対する愛着が
作業の１００％を人に依頼した場合とは比較にならないほど大きいと思います。

自主施工（セルフビルド）は塗装に限った話ではありません。
造り付け家具を自分で製作してみたり、仕上げの漆喰壁を自分で塗ってみたり、
その範疇はじつにさまざま。
他所様が記されているマイホーム建築日記の類のブログを拝見しても
そうした自主施工に取り組んでおられる建築主さんが多くいらっしゃるのは
すごく素晴らしいことだと実感しています。
もしもこれからマイホーム建築を計画して居られる方がいらっしゃったら、
是非とも自主施工の可能性を検討してみてください。

（塗装途中の建物）

それから、特に誰から宣伝を頼まれているという訳ではありませんが……
今回の現場で利用した塗料は下記のメーカーの物でしたので
合わせて記しておきます。
乱然としている自然素材利用の塗料業界の中でも素人が比較的取扱いやすく、
耐久性や素地保護度合いもかなり良い商品としてお勧めです。
私の事務所では昨年から屋内外塗装の標準仕様として取扱い始めました。

プラネットカラー（株式会社プラネットジャパン）
http://www.planetjapan.co.jp/