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ひとり親方 [家づくり]

月初から始まった新しい現場の大工仕事も、職人さんたちの技量で細かな課題をクリアしつつ
なんとか順調なスタートを切った……と、感じています。
今回の物件の工法は丸太組、所謂“ログハウス”というやつです。
昨日までの作業で1階の耐力壁となるログ組が完了し、今日はいよいよ棟上げとなります。
「本当は4人くらいかけて組みたいのだけど……」と呟くのは棟梁的立場のビルダーさん。
それでも毎日3人程度のメンバーで、実働にして5日とかからず組上げを完了してしまいました。

(ログ組完了)

使用材料はフィンランドの工場にてプレカットされた欧州アカマツ。
断面形状は115mm×185mmという、ログハウスとしては決して大きくはないものなのですが、
在来工法に用いる一般の柱などに比べれば相当な断面寸法になるわけで、
それを人力だけで桁(1階壁の一番高いところ)まで積上げるのですから大した力持ちです。

住宅建築などではハウスメーカーとか工務店という会社の存在が知られています。
会社によっては社員として職人を抱えているところももちろん在りますが、
実際に現場で実働する職人さんはそうした会社の社員ではないことも多く、
むしろ個人個人が独立して職人稼業を営んでいるという場合が少なくありません。
所謂「ひとり親方」というものです。

ひとり親方衆の中には弟子のような見習い職人を抱えている方も中には居るようですが、
今回の現場に集まってくれたのはみな単独で活動している方々ばかりでした。
「親方ばかりだったら『船頭多くして船山に登る』みたいになるのでは?」
と危惧する向きもあるようですが、実際にはそのような心配は杞憂で、
ひとつの現場で仕切り役の親方がひとりきちんと定まっていさえすれば、
あとはその人を芯にして作業するということが、暗黙の了解というか
ごく自然な形で出来上がっているのが現場を見ていて実感します。
まさに作業過程での真柱、大黒柱ですね。

そして現場がうまく機能する理由は
「みんな同じ職場の仲間」……そうした意識が強いからでしょうか。
サラリーマンではなく「ひとり親方」として頑張っているわけですから、
自我がある程度しっかりしていないと勤まる仕事ではありません。
でも、だからといって現場の調和が乱れるほど自己主張が強い訳でもなく、
逆に同じ立場で活動を続ける仲間だからこそかえって互いのことを理解し合え、
それが作業のスムーズな流れに繋がっていると思えます。

(ログビルダー)

逆に言えば、現場の良質な雰囲気とか職人同士のチームとしての和を乱すような
勝手な振る舞いを続ける人というのはあっという間に疎外され、
やがてはどの現場からも相手にされなくなって行きます。
それは大工衆だけに限らず、板金や設備や電気などといった専門業者さんも同じこと。
もちろん、設計監理を任されているわたくしとて例外ではありません。
自身の個性を大切に活かしつつ、同じ立場に生きる仲間と調和を計り
そしてひとつの現場(建築)を完成させていく……。
「あんたみたいな設計屋、いらねえよ。」なんて言われないよう
日々精進を続けなくては、と思う毎日です。


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私は誰でしょう

ブログ、開設おめでとうさんです。
この世界は、私の方がちょっと先輩かも~~です。

仕事もネットもがんばってくださいませ。
遠い空から、応援しております。

ではまた~ (^^)/~~~
by 私は誰でしょう (2005-02-12 17:30) 

のぶさん

>私は誰でしょう さん
コメント書き込みと励ましのお言葉、ありがとうございます。
私の知り合いの方でしょうか?
ホームページもブログもマイペースで楽しいものにして行きたいと思いますので、
今後とも宜しくお願い致します。

もしも知り合いの方でしたら、できれば次のコメントからは
それとなくどちら様か察しがつくようなハンドルネームにして頂けると嬉しいです。(^^;
by のぶさん (2005-02-14 07:36) 

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