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長野県北部の地震、白馬方面を巡回しました [暮らし]

11月22日、週末の夜に発生した長野県北部を震源とする大きな地震。
最大で震度6弱を記録する地域があるなど、長野県としては
東日本大震災直後に栄村などで発生した地震以来の大規模なものとなりました。

震度6弱は小川村から白馬村にかけての一帯で感知した模様で、
白馬村では村内を南北に縦断して流れる姫川の東側(右岸)エリアが
とくに酷い被災状況となっています。
村南部の神城の堀之内地区は多くの家屋が倒壊し、
地区内の道路も陥没や亀裂、段差が生じるなど大変な状態らしく、
長野市方面とを結ぶ県道33号白馬美麻線などが不通が続いていました。
(11月25日に規制解除され、仮復旧ながらも通行可能となっています。)

白馬村や大町市北部エリアは設計施工をさせて頂いた御宅も多く、
地震発生直後からの状況が心配でなりませんでしたが、
さすがにひと晩明けた直後は遠慮があり、
週明け月曜日になって思い切って現地を巡回訪問することに決めました。

まずは美麻の家。
1.JPG
晴れていればアルプスの眺望が素晴らしい、
展望台に建っているかのようなハンドカットログハウス。
久しぶりに訪れた建築後15年を経たこの家は
重厚さがよりいっそう増している感じがしました。

こちらは建物そのものは頑強に作られているので大きな被害は心配も少なくて、
むしろ建っている土地の際が地すべりの可能性もある傾斜地なので、
地震による土地の崩落のほうが心配でした。
幸いにして土地は何事も起こらず無事。
ただし、建物はさすがに激しい横揺れに対して動きがあった様子で、
建具(扉)の枠が歪み、扉が戸枠に当たって開閉がし辛くなったりしていました。
2.JPG
ログは地震力を巧みに吸収する構造ですが、そのぶん大地震の際には
軸組の家に比べて歪みが生じやすくなっています。
パッと見た目には歪みの状態など分かるほどではないのですが、
戸枠と扉の状態を確認すると一目瞭然です。
もうこうなってしまうと壁が元に戻ることはないので、
戸枠のほうでなんとか対応するしかありませんが、
オーナー様はあれこれ大工仕事などできる方なので、
また調整してみると明るくおっしゃっておられました。

木崎湖北岸に建つ軸組で建てた木崎の家は別荘のためご不在で外観のみチェック。
1 (3).JPG
庭に積まれた薪や小屋の様子に変化はなさそうで、とくに問題なさそう。

白馬村に入ると通行可能な国道148号沿いでも
あちこちで亀裂が走っていたり、縁石が崩れていたりといった状況が見られます。
が、姫川の西側になる主要な集落や国道沿いは、目立つ大きな被害もなさそうで、
一見した感じでは普段とそう変わらない日常生活が送られているようにも感じられます。
(実際には細かな部分で被害や影響は出ているのでしょうけど。)

そんななか巡った白馬の家。
1 (4).JPG
ご不在のため外観のみでしたが、翌日オーナー様と電話でお話しすることが出来、
棚から物がひとつ落ちた程度でまったく問題なかったということらしく、安心しました。

続いて高島の家。
1 (6).JPG
昨年の今頃に完成してほぼ1年が経過しました。
在来軸組の家で内外観とも板張り仕様。
左官壁がないのでクラックなどの心配もなく、ご家族みなさん御元気で何より。
被害と言う被害はないとのことでしたが、1階に据えてある薪ストーブが
激しい横揺れによって数センチほど移動してしまったそうです。
1 (5).JPG
煙突の立ち加減など見るとたしかにわずかに移動していることが分かります。
地震発生時はかなり下火状態になっていたのでよかったとの話でしたが、
薪ストーブはファンヒーターのように衝撃で自動消火する機能などありませんから、
ボンボンと燃えている際に被災してもすぐ消火対応できるよう、
緊急消火用の砂をバケツに入れて近くに用意しておくなど、
日頃から準備が必要かもしれません。
もっとも、激しい衝撃でストーブ本体が倒れてしまうなどの場合のため
消火器の準備は必需といえますが。

またこちらの御宅では本棚が横揺れで10数センチほど移動したそうなのですが、
その際に本棚の傍らにあったコンセントに差し込んでいたコードを無理に押す格好となり、
その影響を受けてコンセントがひとつ破損してしまったという事例を伺いました。
1 (9).JPG
ちょっと盲点だった事例で、破損だけなら器具の交換だけで済みますが、
電気配線も下手をするとそれが火災発生の要因ともなりますし、
転倒防止のため大型家具を壁に固定することは
コンセントを守るという意味でも対策として有用であるかもしれませんね。

最後に一軒、みそら野の別荘は2006年に完成したハンドカットログハウス。
1 (7).JPG
こちらも外観のみのチェックとなりましたが、ガス設備や水道配管などを含め、
見た感じだけでいえばとくに問題は発生していない様子でした。
美麻の家の様子から室内建具の具合が気になるところですが、
オーナー様は近々訪問される予定のようなので、その時のチェック次第ですね。

上にも書いたように、白馬村は姫川の東と西で被害状況が大きく違っています。
東側の集落の方々はホントに大変な思いをされていらっしゃると思います。
とくにこれからは本格的な雪のシーズンとなりますし、
行政による仮設住宅を含む生活支援が大至急必要となるでしょう。

そしてそれと同時に気がかりなのは風評被害による地元経済への悪影響。
報道ではどうしても被害の大きい地区がクローズアップされがちですが、
白馬村の基幹産業でもあるスキー場を含む主要地区は深刻な被害は免れていて、
どのスキー場もシーズンインは全く問題ないとのことです。
昨日現地入りして被災状況の視察を行った安倍総理も自身のフェイスブック上で、
白馬村が健在であることを強調していますね。

とにかく、被災された家屋や道路などの復旧は行政に頑張って頂くとして、
我々は風評被害による二次災害が起こらぬよう、
現地の様子を正確に把握して、これまでと同じように白馬村などと
お付き合いしてゆきたいと思います。
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