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塗料で火災? [その他]

今朝の信濃毎日新聞に掲載されていたニュース。
長野市某所にある、とある建築事務所にて火災が発生した様子。
不幸中の幸いか、人的被害はなかった模様ですが、
事務所兼工場と資材の一部を焼いたらしいです。
で、その原因を調査している当局は
現場に置いてあった塗料を含んだ綿布が自然発火したのではないかという
可能性を指摘しているそうです。
記事によればその塗料は空気に触れて酸化する際に
発熱する成分を含んでいたとのこと。
火災原因はまだ断定されていないものの、
私も「自然塗料が原因だろうな」と確信に近い感想を抱きました。

ここ数年、環境や人体へ配慮する材料使用が格段に進んできた建築業界。
塗料とひと口に言っても相当な種類が市場に出回っており、
それぞれに使用方法や用途などが異なっていますが、
こと塗料に関しては私の事務所でも所謂“天然素材の塗料”と称する部材を
用いることがもはや当たり前のような感覚になってきています。
(過去のブログ記事を、宜しければご参照下さい。)

現在わたしが標準仕様としているのは
(株)プラネットジャパンが発売している「プラネットカラー」などの塗料ですが、
これも人体や周辺環境へ配慮された天然素材で製造されている……のだそうです。
で、同社が発売している塗料の缶にはすべて
「自然発火の恐れあり!!」と(!)マークをふたつもつけた警告文が記されています。
曰く、「塗装の際に使用したスポンジ、ウエス等は使用後焼却処分するか
水に浸してから廃棄して下さい。」とのこと。
件の火災に関する記事の中でも指摘されているように
天然素材の油というものは酸化の際に発熱するのが普通で、
布などに付着した塗料が空気中に発散しようのない状況
(そのままでゴミ箱に密閉されたり、丸められて放置されたり、、、)に置かれたりすると、
その発熱が進んで最悪の場合は発火し、火災の原因となってしまうのです。

私自身はまだそうした発熱状況を直視した経験はありませんが、
ある大工さんから「塗料の着いた布から煙が上がっているのを見た」
なんていう話を聞いたことがあります。
以前のブログにも書きましたが、
私は推奨している建築主さんの自主施工の一環として
塗装作業を建築主さんに任せる機会が多くあります。
その際、作業開始前に必ず建築主さんに伝えているのが
「使用済みのウエスなどは水を張ったバケツなどの中に入れて濡らして下さい。」ということ。
建築現場には燃えやすい素材がゴロゴロしていますから
簡単にその場で焼却処分というわけにはいきませんので、
バケツに水をたっぷり張って、その中に布を浸しておくのが一番です。

塗装という作業は建築工事に限らず、
日常生活でもDIYの一環で実施頻度の非常に高い作業です。
天然素材の塗料は健康にも環境にも優しく大流行の様相ですが、
いったん使用方法を誤ると、とんでもない大惨事を招きかねない素材である事を
肝に銘じなければいけないと思います。

大自然は時に優しく、時に厳しく。。。
それは自然が“自然”のままの姿ではなく、
人間に利用される“素材”に変化してもなお変わらぬ姿だということなのでしょうね。


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